2012年10月8日月曜日

畏れ

 先日テレビでマッターホルンへの登頂過程を見た。予断を許さない天候、そり立つ絶壁、左右がほとんど崖という状態の稜線、そんな危険な状況を少しでも安全確実に進んでいかなくてはならない。当然遭難、滑落その他の原因が死に結びつくという恐怖があるから、一歩一歩慎重に進む。あそこまでして登るのか、すごいねぇ、などと言いながら放送を見終えた。

 しかし、当たり前に生きている日常も、よくよく見回してみれば日々危険と隣り合わせである。一歩間違えば命に関わるようなことに囲まれているように思える。そこのところに気づけば、生きる姿勢も丁寧に、慎み深くなるのではないだろうか。

 やたらとスピードを求められる世の中で、ついついオーバースピードで日々を送ってしまいそうになる。でも気持ちを落ち着けて、ゆっくり、丁寧、確実に。結局それが危険を避けることになり、健康という意味では、養生に結びつくように思う。

 何事においても、畏れを知るということが大切のようだ。ただ勢いだけでずんずん進もうとするようなものは、蛮勇に過ぎないのだから。

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