2013年1月30日水曜日

呼吸

 オギャーと生れ落ちてから死ぬまで、私たちは呼吸をし続ける。呼は吐き出す息であり、内なる気をはくことになる。吸は入ってくる息であり、外なる気を取り入れることとなる。呼吸によって、内と外のは通じている。天地の気と人の気は合い通じているのだ。

 腹の中の気も天地の気と同じなのだが、腹中の気というものは臓腑にあるものだから入れ替えてあげないと古くなっちゃう。時には多くの気を吸い込み、出すときは口から少しずつゆっくり静かに吐き出すようにすると、腹中に清い気が入ってくる。

 この入れ替えをするときは、仰向けとなり、足は伸ばし、足と足の間を肩幅くらいに開き、目を閉じ、腕も伸ばして体幹からは少し離し、手は握った状態で、ゆっくり行うのが良い。できれば一日に2回ほどね。

2013年1月28日月曜日

痰をことごとく去らんとすれば、元気へる

 唾と違って痰は外に出してしまうのが良いのだろうが、それも程度問題とのこと。特に老人の場合は、あまり徹底して痰を取り除こうとして、強く吐き出したり、薬を使ったりすると元気が減ると考えるみたい。

 とにかく気を減らさないということに、随分注意するみたいだね。

2013年1月25日金曜日

四損

 唐代の医師らしい唐椿という人が著したらしい病源集という書物があるらしい。らしいだれけで申し訳ないが、どうもどんな人で、どんな書物なのかわからない。益軒さんはその書物に書かれていることとして、こんなことすると損でっせ、体によくないでっせということを四つ挙げている。

 1:唾を勢いよく、ペッと遠くに飛ばすようなことをすると、気を減らすよ。

 2:だらだらと長時間眠ったりすると、神を損ずるよ。と書いてはいるのだが、この神という言葉が、何を意味しているのかはよくわからないなぁ。

 3:汗をたくさんかいたりすると、血が減ってめぐりが悪くなる。

 4:急いで歩いたりすると筋をいためるよ。

2013年1月24日木曜日

養生の四要


 何度も同じようなことが書いてあるので、しつこいなぁと思うね。だけど自分を振り返ってみると、しつこく言われたことでもなかなか実行できていないから、何度も繰り返すことは必要だね。

 養生に大切な4つを挙げるよ。①激しく怒り狂うようなことがないようにする、②あれやこれやと考えすぎない、③ぺちゃくちゃと要らぬことをいつまでもしゃべらない、④欲望を追い求めすぎない、の四つだね。どう?どれか実行できそう?

 必ずしも実行できていなくたって、たまにはこんなことを考えるだけでもいいかもね。

2013年1月23日水曜日

気へるとふさがるとは、ともに身の害となる


 体を動かしすぎるのも、また体を動かさずにじっとし続けるのも、どちらも自分の身にとってはよろしくないようですよ。

 出歩き続ける、ずっと座ってばかりいる、立ち続ける、体を横にしたままごろごろし続ける、しゃべり続ける・・・なんてことは控えてくださいね。体を動かしすぎれば気が減るし、だらだらし過ぎると気が巡らずふさがってしまうよ。

 気を保ちつつ、その気をめぐらすというのが養生にとって大切なんだね。

2013年1月22日火曜日

修養の五宜(ごぎ)あり

 孫真人が言ったこととして、五つの良いことをあげている。この人は中国唐代の名医とされた人。141歳まで生きたなんて言い伝えはまあ置いといて、千金要方なんていう有名な医学書を著したひとらしい。

さて五つの良いこととは

髪は多くけづる(梳くということと思うよ)に宜し。・・・これは普通に櫛でとくことを言っているのではないみたい。両手をすり合わせて手のひらが温かくなったところで、指を広げて額の髪の生際から後ろの際まで梳くことを言っているようだね。頭には多くのツボがあり、この方法でそのツボをことごとく刺激してやろうという狙いのようだね。

手は面にあるに宜し。・・・これもまず両手をこすって手のひらを暖かくするな。そして顔を洗うようにその手で顔を上下になでさすりなさいということみたいだよ。美顔効果や、目や鼻の病気予防を目指しているようだ。

歯はしばしばたたくに宜し。・・・口を軽く閉じたまま、上下の歯を軽くぶつけてかちかち鳴らすことを言っているようだな。歯の病気予防、胃腸の調子を整えるなどをめざしているようだよ。あと頭の血の循環も良くなるみたい。

津(つばき)は常にのむに宜し。・・・単に唾を飲み込めといっているわけではないみたいで、これにも作法があるらしい。口を軽く閉じた状態で、歯と唇の間を舌でぐるぐると刺激した後で、ごくりと唾を飲み込む。舌も時計回りに12回、反時計回りに12回回すとのこと。さらに歯の内側も同様に行うというふうになかなかやることが多い。胃腸機能の改善と、体力気力の充実を目指している模様。

気は常に練るに宜し。・・・常に落ち着いた状態でいられるようにしておくのが良いとしているようですが具体的にはよくわかりませんなぁ。

2013年1月18日金曜日

摂生の七養あり

 気、という概念はいまひとつ捕まえにくいけど、気を保ちめぐらせることで体調を保つという考え方が養生訓の中心にあるみたいだね。その気には、養うべきものとして七つ挙げられている。なんとなく雰囲気をつかんでくださいね。

 言葉を発することを少なめにして内気を養う。

 色欲を戒めて精気を養う。

 味付けを薄めにして血気を養う。

 唾を飲み込んで臓気を養う。

 怒りを抑えて肝気を養う。

 飲食を控えめにして胃気を養う。

 いろいろ考えすぎずに心気を養う。

2013年1月17日木曜日

是養生の四寡なり(おもひ、慾、飲食、言)

 生きていると気がかりなことが次から次へと出てくるね。でも本当に気にかけなきゃいけないことかどうか、見極めたほうがいいね。スパッと思い切れば、気にしなくていいようなことにまで関わっていけるほど人は強くないし、生きている時間も限られているわけだからね。

 欲望を満たすと刹那の満足は得られても、ほんの少し時間が経てばもう次の満足を求めているのが人間だね。そんな欲望、追っかけていれば限がないから、どこかで息切れしちゃうね。

 薬を飲まなきゃいけないくらい、飲んだり食ったりしていいわけないよね。飲食を控えめにしておけば、胃腸も肝臓や腎臓も疲れてしまうことはないから、長持ちするし、普段の調子もよくなるね。

 テレビをつければ、やたらとしゃべる人ばかりが出てくるね。ちょっと見る分にはいいのだけれで、そのうち疲れてテレビを消しちゃうね。テレビの世界で生き残るには、目立たなきゃいけないから、とにかくしゃべり続けるのだろうけど、あれば命を削って仕事をしていることになるのだろうね。一般人はそんなことする必要ないよね。言葉にもエネルギーがあるね。その言葉を出すということはエネルギーを使っているんだね。使いすぎはよくないね。

2013年1月15日火曜日

古人は詠歌・舞踏して血脉を養ふ

 カラオケが大好きな人、コーラスを趣味としている人などおられるでしょうね。昔の人も詠歌、お謡いをしていたようですね。大きくゆっくりした呼吸をすることになり健康によさそうだね。

 現代のようにあまり激しく動く踊りは、ちょっと体に堪えそうな気がするけど、古人も舞いを楽しんでいたんだね。踊れば、手を動かし、足は踏み歩くという具合に、体を動かすことになるからよさそうだね。

 歌も踊りも、心を和らげ、身を動かし、気をめぐらし、体を養うことになるね。いいね。

2013年1月14日月曜日

気を和平にし、あらくすべからず


心と体は一体であるという考え方を大切にしているようで、養生の要点として心の問題がよく出てくるよ。

 気を荒立てることなく、静かにし、やたらと気を使ってはいけないと言っているね。ゆっくりと構えて、急に動かしちゃいけない。言葉は多く発してはいけないね。

 苛立ってくると、なにか胸に上がってくるような感じがあると思うけど、そうならないように気をへそ下におさめておくのが大切だよ。

 ゆっくり呼吸をして、心をお腹のしたの方へとんと落ち着かせておこうね。

2013年1月12日土曜日

養生の大要

養生の四つの要だよ。

一つ 内慾を少なくする
 まあ感謝するってことができればあんまり欲望まみれにはならんような気がするね

一つ 外邪を防ぐ
 寒さや暑さに負けない体つくりも必要だけど上手に防ぐ賢さも必要だね

一つ 体を動かす
 使わないと道具でも悪くなっちゃうね 人も体を使って労働しないと早く傷んじゃうね だからお年寄りに対して体を動かさずに済むようにしてあげることが大切にするということにはならない可能性があるね

一つ 睡眠時間を少なめにする
 きちっと睡眠をとることは大切だけど 過ぎるとかえって疲労感が出てくるね 必要以上に体を横たえないほうがよさそうだね

2013年1月11日金曜日

十二少


 少なくしたほうがいいこととして、次のようなものを列挙しているよ。

 食べる量を少なめにする。飲みすぎに注意する。味付けは調味料を少なめにして薄味が良い。色事はほどほどに。あまりしゃべり過ぎない。あれやこれやいろいろなことをやらない。あまり怒らない。必要以上に心配しない。悲しみ過ぎない。考えすぎない。体を横たえて休みすぎない。

 これらは例だが、いずれにしろどんなことでも過ぎては元気を失うことになるから、欲張らずにほどほどがいいね。

2013年1月10日木曜日

養生の要訣は少の一字なり

 欲望というのは、生きていくうえで必須のものだと思うので、やたらとそれを抑制するような考えばかりではよくないと思うよね。ある程度欲をもち、それを満足させてあげないと、凡人は人に対しても何かをしてあげるなんてことできないからね。ただやはり欲張りの行きすぎもまずいね、きっと。

 ただ、欲望を満たすことが目的となって、周りが見えなくなってしまうようだと、体にも障るというのはよくわかるよね。

 養生の要訣として養生訓であげられているのは「少」。慾という字を書くとそこにはむさぼりの気持ちが強くでてくることを表すようで、慾を追い続ければ体を壊し、命も失うってことになるから、万般にわたり少なめに、控えめにってことみたいだね。

2013年1月9日水曜日

怒と慾との二、尤徳をやぶり、生をそこなふ


 感情の起伏や欲望を抑えるのは難しいことだけど、心身を安らかに保つためには大切なんだね。感情にはいろいろあると思うけど、例えば七情と言って、喜・怒・哀・楽・愛・悪・慾というふうに分けたりするね。また欲というのは眼・耳・鼻・舌・身・意に関係しているといわれるね。

 これらのうち、怒と慾が最も人としての徳を落としてしまう原因となるうえに、生命力を奪う原因となるんだね。

 怒るというのはなにか相手に対して火をむけるようなところがあり、この火は自分にも向かって来るんだね。そして心をかき乱し、元気がなくなってきちゃうんだね。怒り、とくに忿という字で表されるような感情(自分の気に入らぬことに対して激怒して相手に殴りかかるくらいの激情)になってくるとかならず自分自身をひどく傷つけることになるわけだから、なるべく抑えるようにするのが自分のためだね。

 また慾はその赴くままにさせておくとどんどん増大し、そのうち自分自身が水攻めにあっているような状況となり心がおぼれてしまうんだね。当然元気もなくなってしまう。

 強い怒りと限りのない欲望、この二つをコントロールできないと、自分自身が危うくなるね。難しいけどぜひ自分のためにうまく制御してね。

2013年1月8日火曜日

臍下三寸を丹田と云


 漢方の本や、呼吸法の本を読むと、丹田という言葉がちょくちょく出てくるね。使用する単位によって微妙に異なるのだけれど、この丹田というのはへそ下3寸にあるというから大体9cm~11cmくらいの場所にあるということになるね。

 小生もこれを意識して、呼吸法を試したりしたことがあるが、ちゃんと教えてもらっているわけではないのでどうもわからん。しかし、いらいら、どきどき、わくわく、そわそわの時には、なんだか胸の辺が苦しくなるが、そんな時腹におさめるという意識を持つと、しゃんとするというのはよくわかる。恐らくそのあたりのことを言っているのだろうね。

 常に腰を伸ばしじっくり据えて、気を丹田に集めてしっかり収め、呼吸はゆっくりと静かにして決して荒々しくはせず、何か事に当たる時には胸に気が滞らないように口から少しずつはきだして胸にモヤモヤがたまらないようにして、十分に気を丹田に集めるのがよいということらしい。

 それぞれがイメージしてみてね。気が向いたら、日本古来の呼吸の方法なんかが書いてある本を読んだり、座禅をくみに行ったりしてみてね。

2013年1月7日月曜日

百病は皆気より生ず

 病は気からというけれど、気というのはなかなかとらえどころがないね。少なくとも目の前に取り出せるようなものではなさそうだね。

 いちおう、先天の気と後天の気という二つに分けるみたいで、先天の気ってえのは生まれながらにして授かった気のエネルギーらしい。で後天の気ってえのは飲食物その他から生まれた後に取り入れるものらしい。

 この気、単に減らさなけりゃいいって言うものではなく、あまり上げたり下げたりせず、良く巡らし、乱れないように調えなさいよというのだが、なんとなくわかるようなわからぬような。 

 まあ、心を整え、疲れすぎず、体はこまごまと動かし、おおらかに暮らすというふうにすれば、元気を保つことができるらしいけどね。

2013年1月6日日曜日

客となつて昼より他席にあらば、薄暮より前に帰るべし


 友人、知人の家を訪れ、会話が弾み楽しくなってくると、ついつい長居になってしまう。でも明るいうちに訪問したなら、薄暮れになる前に帰ったほうがいいね。しゃべっている最中は楽しくても、遅くまで居座ると、そのあと主客ともに疲労がどんと出てくるからね。特に迎える方は、客が帰った後の片付けもあるわけだから、くれぐれも長居はしないこと。

 楽しい時間から離れるのも、ちょっとさみしいかもしれないが、こういう時もほどほどをわきまえる必要があるね。養生の道は、人の生活全般につながっているようだね。

2013年1月5日土曜日

大風雨と雷はなはだしくば、夜といへどもかならずおき、坐すべし


 暴風雨となり雷が激しく鳴り響くようなときには、自然の猛威を恐れて夜も服をきちっと着て起きておくのが良い。

 そう言われてもね、江戸の昔とは違うから、なかなか並みの台風くらいでは現代人は起きておくなんてしないね。それでも昭和の中ころまでは、台風が来るといえば、雨戸を堅く占めたり、飛びそうなものはくくったりしていたけどね。

 ただ、自然の力というのは意識していたほうがいいよね。万事において注意深く生きるというのが、養生訓の伝えたいことの一つなんだろうね。

2013年1月4日金曜日

人の身は、気を生の源、命の主とす

 人にとって「気」というのは大切だね。気の力がなければ、何もしたくないし、できなくなってしまうね。だから、気の具合にまさに気をつける必要があるんだね。

 活動する必要のないときには静かにして、元気を浪費せずたもつようにするし、動いているときにはその気をうまくめぐらせて心身を整えるという具合だね。

 動く必要があるときは時期を逃さず動き、静かにすべきときは動かない。こんな風に意識していると、気を養うことができるんだね。

2013年1月3日木曜日

無用の事いふべからず


 自分の思いと違うことがあれば、心は少し尖っちゃうけれど、そんな時もとりあえずはそんなものだとスッと流しちゃおう。騒がずうるさくせず、心を穏やかに保つようにするのがいいね。

 言葉遣いというのはとっても大切。鋭く尖った言葉や話し方は、相手に向かい傷つけ反発を受ける。なるべく穏やかにして、いらぬことは喋らぬのがよいね。こうしていると、無駄な気を使うこともなく、元気を保つことができるよ。

中を守るべし


 過ぎたるはなお及ばざるがごとし、なんてことを言いますが、人はどうもやりすぎてしまう傾向があるようだね。一生懸命になるのが悪いわけではないのだけれど、頑張りすぎてかえって自分を苦しめちゃうなんての、傍から見てると滑稽に感じてしまうことがあるね。

 養生の道というのは、過ぎてしまうのを控えましょうってことなんだね。飲食にしても、喉の渇きや空腹を満たせばよしとして、満腹になるまで食べたりするなよってことなんだね。

 なんのつもりなのか、最近は腹がはちきれそうになるまで食べなきゃならないという設定のテレビ番組なんかがあるけど、愚の骨頂だね。見ているだけで気分が悪くなるね。芸人さんが体調を壊さないことを願うばかりだね。

2013年1月1日火曜日

莫大の禍はしばしの間こらえざるにおこる


 平成25年の幕開けです。平成となって既に四半世紀。早いものです。こうやって光陰は過ぎ去ります。「門松や 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」。まああまり浮かれすぎずに参りましょう。

 人間ヒョイっと一時の気の迷いというか勢いというか、しまったなんてことをしがち。いっときの浮ついた気持ちのままに行動する癖がつくと、なかなか治らない。そうなると何事においても堪えるということができなくなっちゃうね。身を危うくするね。


 あまり、極端な欲望を追いかけずに、平穏な一年を過ごしてくださいね。