まあもともと、就寝前に胃が張っているような食事の仕方が問題なのかもしれません。しかし、寝ている間に胃の内容をもどして、窒息したり誤嚥したりすることのほうを警戒したようです。益軒さんの時代も、食道胃逆流は問題だったのかもしれません。
人生長生きすれば、違ったものが見えてくる、味わい深くなってくる。死ぬまで元気に歩むには、日々を少し注意深く生きなさい、とは貝原益軒の思想。そこのところを踏まえつつも、私が手前勝手に益軒の養生訓を解釈して綴ります。当店(養生軒)でお出しするものを、皆さんなりに味わっていただけたら幸いです。 (なお、原文は中村学園図書館が公開しているものを利用しています⇒http://www.nakamura-u.ac.jp/~library/lib_data/a01.html)
2014年2月17日月曜日
消導の薬
食事をたくさん食べたときなど、みずおちが張った感じになります。そのうち胃から小腸へ食べたものが徐々に送り出され、その張った感じはなくなっていきます。この様子を消導と呼ぶようですから、消導の薬といえば胃薬とか消化薬といったところなのでしょう。就寝前になってもまだ胃がすっきりしないようなときには、消導の薬を服用することを勧めています。
2014年2月6日木曜日
少くひて其味をしり、身に害なきがまされり
肉を一切れ食べ、果実を一粒食べるだけで、味わうことができる。それらをたくさん食べれば、より味わえるというものではない。おいしいからと言ってもう欲しくなくなるほど食べてしまえば、逆に食べ物の味を落としたことになる。
たらふく食べて、胃腸の調子を落とすより、少なめに食べて料理や食材のもつ味を知る、というほうが身体にもよいし、豊かで文化の香りすらする。
一口食べれば箸を置き、含んだものを味わいつくしたのち、箸をとる。優雅な所作だと思いますね。
2014年2月4日火曜日
一処に久しく安坐すべからず
食事が済んでも、どっかと腰を下ろしたまま、だらだらと時を過ごすひとは、その習慣を改めたほうがいいかなぁ。食後は多少身体を動かしたり歩いたりしたほうが食事が滞らずに身体によいとのこと。
まあ、激しい運動などはいないほうが良いに決まっているが、器を洗い片付けたり、空気を吸いに外に出たり、近くの商店街を冷やかしに行ったりなんてことが良いのでしょう。ただ、外に出てそのままちょいと一杯がいっぱいになったりしたのでは逆効果でしょうが。
食事は少なめにして、体をこまめに動かす、というのが一貫して述べられていることのようですね。
2014年2月3日月曜日
すける物は脾胃のこのむ所なれば補となる
好きな食べ物というのは、もともとからだが欲しているものと考えていいだろうと思います。当然体にも良いはず。ただ、人間の頭は欲張りにできているのか、好きだというのでついつい食べ過ぎてしまう。食べ過ぎると、胃腸に負担がかかり、体調を崩してしまうことだってある。
せっかく体に良いであろう物を食べ過ぎて体を壊すくらいなら、あまり好きでないものを少し食べるほうがましであろう。しかし、好きなものを控えめに戴く、というのが最も良いようだ。
頭が生み出す欲望に流されることなく、体の声に耳を傾けよう。そうすれば、もうそれくらいでいいよ、というささやきが聞こえてくるはずだ。
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